魏志倭人伝 卑弥呼 古事記 日本書記 万葉集 甲骨文字 以音 五経基軸文法による解読

漢文史記は五経文法が採用されています、この五経文法は殷時代の甲骨文字(漢字変換)でも採用されており、古代中国は唐時代の末期で消滅、日本では奈良時代(西暦720年)頃で消滅して現在に至っています、この漢文史記を一字一句解読したブログになります。

江田船山古墳出土の銀錯銘大刀 

お粗末な解釈銘文の刀を後生大事に棺に入れるだろうか。

意味不明解釈

治天下獲□□□鹵大王世奉事典曹人名无利弖八月中用大鉄釜并四尺廷刀八十練九十振三寸上好刊刀服此刀者長寿子孫洋々得□恩也不失其所統作刀者名伊太和書者張安也

 

<誤訳定説>

天の下治らしめし獲□□□鹵大王の世、典曹に奉事せし人、名は无利弖、八月中、大鉄釜を用い、四尺の廷刀を并わす。

八十たび練り、九十たび振つ。三寸上好の刊刀なり。此の刀を服する者は、長寿にして子孫洋々、□恩を得る也。其の統ぶる所を失わず。刀を作る者、名は伊太和、書するのは張安也。

この銘文には、治天下、八十たび、十握などの強い日本調が混じっている。大王と王恩、四尺と一釜、十握と三寸などの前後を対応照応させて、漢文の本来の手法を巧みに利用している。年号はない。

 

<解読>

治天下獲(□□□=加多支)鹵大王世奉事典曹人名无利弖八月中用大鉄釜并四尺廷刀八十練九十振三寸上好刊刀服此刀者長寿子孫洋々得(□=主)恩也不失其所統作刀者名伊太和書者張安也

 

<注釈>

朝廷の公の詔勅文にしては漢文特殊文法手法が乱れて記述されています。

この銘文の記述は多くの項目が75文字に含まれているので文脈を解読するには、漢字(仮借漢字の熟語)の配列を考慮する必要があります。

典曹=伝奏(てんそう)とは、院政期から幕末にかけて公家政権(朝廷)内に置かれた役職。元来は治天の君上皇)に近侍して奏聞・伝宣を担当したが、後に天皇親政時にも設置されるようになった。

弖は古事記の編纂の同年代に表れます、のま【々】、踊り字、躍り字は日本書記に表れます、又、日本書記で持統天皇までの記述に刀の数量は(大刀一口)、この銘文では九十振←口

(振=音読み=シン、訓読み=振り=フリ)

<解読>

治天下獲(□□□=加多支)鹵大王世奉事典曹人名无利弖=(上好=上皇=朝廷)として、

世奉事=諸国王=大王に代々奉仕すること。

典曹=伝奏(てんそう、役職)の(人名无利弖=ぶりきゅう)が律令の田令で諸国大王に伝える。

諸国大王が統治する国府の田地の(五十里=15万坪=通常の18ホールのゴルフ場の半分)を公分田とする。

八月中用大=(八月、中用=中庸=『中庸』は、もともと『礼記』中の一篇、すなわち礼記中庸篇として伝えられてきたものである。)送る、(大=他人を敬い上にそえることば)

鉄釜并四尺廷刀八十練九十振三寸=(鉄釜=テツフ=鉄斧=鉄製の斧頭(ふとう)、并四尺廷刀=七尺薙刀(テイトウ)、八十練=九(練=連=100)=九百張、(練=連=100)九十振=千(振=口=刀の数量)

三寸=3寸くらいのもの、また、短いもの、薄いものなどのたとえ。

鉄斧九百張、七尺薙刀九百張、短刀千振(口)を献上すること。

 

上好刊刀服此刀者長寿子孫洋々得(□=主)恩也不失其所統作刀者名伊太和書者張安也

 

<注釈>

典曹=伝奏(てんそう)とは、院政期から幕末にかけて公家政権(朝廷)内に置かれた役職。元来は治天の君上皇)に近侍して奏聞・伝宣を担当したが、後に天皇親政時にも設置されるようになった。

伝宣=勅旨を伝達すること。

<解読>

上好刊刀服此刀者=勅使、上皇元正天皇)は、(好刊=こうかん=浩瀚=書物の多くあるさま、浩瀚な蔵書)を刀師者の(服此=副史=そえ役、控)と考えている。

長寿子孫洋々得(□=主)恩也不失=(長寿=物事が長く持続している様子のことをいう。)(子孫洋々=のちの世代の人々、子、孫が盛んであることを願う。

々得=ようとく(注=刀師は、陽徳=人に知られるようにあらわに行う徳行と考え、主恩=主人や主君=(聖武天皇=首=おびと)から受けた恩をいくつしむこと、(不失=不悉=思うことを十分に言いつくさないこと。手紙の末尾に書き添える語)

 

 

<銘文解読と江田船山古墳の年代の相違>

私見考察、江田船山古墳はこの地の豪族の歴代王としての陵墓ではないかと考察される、最後に合祀された王の時代が聖武天皇と同時代と考えられる。

銘文漢字の(弖、振、洋々)の時代説明がつかない。

 

<解読>

其所統作刀者名=(其所=刀師=とうし=鍛刀地=鍛刀される場所・地域を鍛刀地(たんとうち)という。)で(統作=等差=ある一定の基準による等級の違い。)(統作=一つにまとまめ作ること。

伊太和書者張安也=(伊太=偉大=偉大な業績)を(和書=日本語で書いた書物、国書。)として(書者=書き取ること。)

張安也=(張=ものを書き記すために複数の紙をとじて作ったもの。)(安=文書の下書き。草案。「案を提出する。)也=なり

 

<解読まとめ>

勅旨、上皇は刀の蔵書を刀師者の控えと考えている、又、長寿子孫洋々と陽徳と捉え、天皇に主恩をいつくしみ、(不悉)

刀師者に機銃等級の機銃を定め、偉大な業績を国書にするための草案をとじて提出すること。